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 フロンティアは黒白のフィルムもプリントできます。さらに、カラーフィルムからも黒白のプリントができるんです。

とはいっても、黒白写真(モノクローム)になるわけではありません。
色を黒白に似せてプリントするのです。ですからモノトーン(単一色でのプリント)ということになります。

フロンティアでは2種類のプリント方法があります。
最初から黒白モードでプリントする方法と、カラーを後からモノクロモードを選択する方法です。
私たちは黒白フィルムであっても、後者のモノクロモードを後から選択する方法を 使用しています。黒白モードでは色調が選べない(後述)上、ガチガチ(コントラストのきつい)になってしまって黒白の良さが生きないからです。
もちろん、本当の黒白の印画紙でプリントしたものにはかないませんが。

本当の黒白プリントはただ、白と黒で表現されているわけではありません。
様々な色調を出す印画紙が存在します。

○純粋な黒白で表現する「純黒調」
○黒に少し茶色入った暖かみのある「温黒調」
○黒に少し青みが入った冷たい感じのする「冷黒調」

それ以外にも数種の印画紙があります。
私は日本よりもヨーロッパの方が黒白の色調に対するこだわりがあると思っています。好みもあるでしょうがその表現の幅はとても魅力があります。

フロンティアではモノトーンの色調を黒白調2種とセピア調を3種類設定できるようになっています。
その色調例を作ってみました。データーはフロンティアから直接出力したデーターでサイズ以外の手は加えておりません。

【写真1】
オリジナルです。
色に冴えがないのは少し古くてやや変色気味だからです。かなり前に自分で撮影したものです。
青空の白いタテ線は飛行機雲です。

このフィルムは35mmフィルムのポジ(リバーサルまたはスライド用)フィルムを使用しています。

【写真2】
フロンティア標準で登録されている黒白の設定でプリントした写真です。

プリントはきれいな黒白に見える時もあれば若干赤みがかる時があります(この画像は赤みがかっています)。
これしか見ていないと、そんなに気にならないかもしれません。

※この色調設定を固定した場合でも、あと1種類黒白の色調を設定することは可能です。

【写真3】
私の店(写真工房)での標準として設定している黒白プリントです。

純粋な黒白ではなく少し温黒調になるよう設定しています。ポートレートに向いており、暖かみがある色に仕上がります。それ以外の風景写真でも良い雰囲気の写真になります。

【写真4】
フロンティアの空いている設定でもう一つの黒白調を作りました。

こちらは少し冷黒調になるような設定です。どの絵柄でも使用できます。

人気は【写真3】の設定の方がありますがこれは好みの問題です。もちろんもっと冷黒調っぽくという設定も可能ですが、どの程度かという実験はする必要があります。

このようにフロンティアはカラーから黒白を作るだけでなく、色調を変えることができます。

少なくとも1つは設定や変更がきくので、黒白プリントをお試しになる方はぜひお店に色調の確認をしてみて下さい。もしかするとそのお店の裏メニューみたいなものがあるかもしれません。
設定されてないこともありますから、その時は注文して作ってもらうのも良いと思います。

今回は35mmフィルムを使用しましたが、APSやブローニーでも同様のことが可能です。

こういう時にお薦め!
 結婚式のお写真でバージンロードを歩いているところや指輪の交換、乾杯の風景など、ここぞ!という1枚にモノトーンを使用するとアルバム作りの時に写真が引き立ちます。
ちょっと暗めかな、ちょっと明るすぎるかな?という時も、モノトーンにすると案外よく見えたりして助かることもあります。

黒白フィルムはもともと色がないため、黒白かセピアにしかなりません。カラーフィルムだからこそこういうことができるのです。


黒白をきれいにプリントする重要なポイント!!
 寒い時期は午前と午後とでプリンターの現像液の状態が異なります。現像液の温度は一定になるようヒーターが働きますが、色を出す性能が同じではありません。

その違いはカラーの場合、気にならないレベルです。黒白調のプリントは単色なため色の変化がわかりやすくなります。色調をなるべく統一したい場合は最初にオーダーされた時間と同じ時間を選ばれると良いでしょう。暖かい時期には関係ありません。
※もともとカラーの印画紙を使用して単色にしていますから、完全に同じ色に合わせるということはできませんので、あらかじめご了承ください。

続けて
(セピアの巻)
もご一読ください。

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