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 写真やカメラにはいろいろな専門用語があります。いろいろな写真雑誌やカメラ雑誌でも書かれているのでそういったものをご覧になる機会もあるかと思いますが、店頭にいる私たちにとって使われ方が少し違うものがあります。気がついたものから書くので順番が前後したりしますがある程度集まったところでまとめたいと思います。

現像する・・・・
フィルム現像のみを言います。
プリントも現像処理しますが同じ言葉では仕事をする際に誤解が生じるためです。プリントのご依頼は「プリント」または「焼き付け」といいます。プリントまで含めた現像を言う場合は「同時プリント」という方が普通です。

ですからフィルムを出されて「現像してください」というとフィルム現像のみと思われて、プリントされないことがあり得ます。

ベタ焼き・・・・
35mmフィルムを印画紙に直接くっつけて露光したプリントのこと。
くっつけているのでベタ焼き、またはベタといいます。
正式にはコンタクトプリントというのが正しいのですが、どれでも大丈夫です。

フィルムのコマサイズで見ることができるのでネガの様にフィルムを直接見てもよくわからないものに重宝します。現在多くの自家処理する写真屋さんではベタよりもサイズの小さなインデックスプリントが多くなりました。そのインデックスプリントを大きくしたラージインデックスというものもあります。

Lサイズ・・・・
ラージサイズという意味。現在のサービス版(禁句)と言われているプリントの多くはこのサイズのことです。寸法は89mm×127mm。

実は我々(店側)が簡単に「Lサイズ」と呼んでいるものは厳密には「LCサイズ」という名称です。Lはラージ、Cはフチがカットされているという意味です。
つまりLでは白フチ付きになってしまいます。以前主流だったサイズではECはフチなし、Eはフチ付きと厳密に呼称していたのですがサイズが大きくなってからフチなしが多かったため、LCではなくLと言ってしまいました(ウチだけか?)。

 LCサイズ(フチなし)

 Lサイズ(フチ付き)

そのほかのプリントサイズも(フジに関しては)フチなしは必ずCがつきます。

大伸ばしプリントのフチ・・・・(用語ではありませんが)
LCのフチについてご説明したついでに大伸ばし時のフチについてお話しします。
お客様がこのことを気にすることはあまりないかもしれませんが、お店によっては大きいサイズでも全てフチなしというところも多くなってきました。

西村カメラではご注文時に指示されない限りは白(または黒)フチをつけます。理由は額に入れるとこを前提に考えているからです。

額に入れる際にはマットと呼ばれる白い窓枠のような紙に写真を固定します。
このマット紙の窓枠は写真よりも少し小さく作られています。ギリギリだと写真がきちんと固定できないということもありますし、余裕があるおかげで上下左右や水平の調整ができます。
白フチをつけるとその分だけ画像が小さくなりますが、マット紙に入れた時に切れる部分が少ないのです。

将来的に白(または黒)フチはいらないとのご意見が多ければ、全てのサイズをフチなしにすることも考えているのですが。

Black&Whiteフィルムの正しい日本名は?
黒白フィルムが正式な名称なのだそうです。ある日突然、白黒が黒白になったのではなく、初めから黒白フィルム、黒白プリントと決められていました。それがなぜだか白黒の方が一般的に広まってしまったそうです。
おそらく「白黒つける」などの語呂がもともとあったためではないかと推測されるそうですが、本当のところはわかりません。
フジフィルムのプロ課(もうありませんが)では白黒と言うと厳しく直されていたそうです。
実は私も白黒フィルムと言っていたのですが、このことを知ってからは直すようにしています。
ちなみにモノクロームは黒白のことですが、モノトーンは黒白ではありません。このことは後日また。
※モノクロームとモノトーンを取り違えていたため修正しました。

DPEって何のことでしょう?
いろはの「い」を忘れていました。
プリントショップやカメラ屋さんで見かける"DPE"とは何のことでしょう?


D……Development(フィルム現像のこと)

P……Printing(印画紙に像を焼き付けること)
E……Enlargement(引き伸ばしのこと)


その頭文字をとって"DPE"と言います。
これは日本の写真用語なので、海外では全く通じません。
私がこの言葉を教わった時に「プリントすること自体、引き伸ばしなのではないか?」と素朴な疑問を持ちました。


35mmフィルムに写る1コマの大きさとLサイズプリントを比較すれば一目瞭然です。引き伸ばさないとLサイズにはなりませんから。
しかもチェーン店や窓口のみというところも増えたため、大型のプリント自体注文される方も減っています。そのためか最近は"DP"ということが普通になってきました。
もしかすると"DPE"という言葉は写真業界の中でさえ、死語になってしまうのかもしれません。…もう死語かも?

※最初に書いたように写真屋さんでは現像というとフィルム現像のことをいいます。厳密には印画紙も現像処理しなくては像は出てこないのですが、その場合はプリントといって区別しています。

銀塩写真と銀鉛写真と銀写真プリント? New
銀塩写真…ハロゲン化銀をフィルムの感光材料(光を当てると化学反応を起こし、現像処理することで像が浮かび上がらせるための素材)に使用して映像記録するシステム。
それを銀塩写真というそうです。

なぜ"塩"が文字に含まれるかというと、ハロゲン族元素と銀を化学的に結合させた塩化銀等をハロゲン化銀という名前で使っているからだそうです。
(日本カメラ社 出版 / 写真用語辞典 参照・独自意訳)
そのシステムのためのカメラだから銀塩カメラなんです。

銀鉛写真…とは完全な誤字です。Web上で調べものをしていたらあまりに多いため驚いてしまいました。私には"ぎんなまりしゃしん"としか読めません。
なぜなら私のコンピュータでは1回で変換できず、"ぎんなまりしゃしん"と入力しなくてはいけないからです。

銀写真プリント…2006年春、写真感光材料工業会から一般に広めようとしている新しい言葉です。要するに銀塩写真のことです。学術用語も銀塩写真です。
銀塩写真の長所をよりわかりやすく、アピールしていこうということのようです。
突っ込むところではないのかもしれませんが、写真て英語でプリント(Print)だったような気がします。
普及には富士フイルム・三菱製紙とコダックも参加されます。本来はコニカミノルタも参加されると発表されていましたが、撤退した現在どうするのか不明です。
街の写真屋さんの店頭で見かけたらああこれかと、うなずいてください。
この言葉が将来に残るかどうかはみなさんが決めることと思っています。

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